腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

相撲の基本稽古に学ぶ

  1. 腰割りのススメ 基本姿勢 実際 参考動画、股関節周囲筋肉図
  2. テッポウのススメ

 

 

 

 



腰割りのススメ

※参考
1日1分のシコトレで股関節からカラダが整う! 元・一ノ矢 / 著

この「腰割りのススメ」は、上記元・一ノ矢さんの本を読んで腰割りをはじめて1ヶ月くらい経過した時点で書いています。
治療師という目から見ても、この古典的エクササイズの効果と楽しさには著しいものがあり、是非とも多くの人に試してほしいと思いました。
なんといっても、西洋由来のエクササイズに見られるようなツライ「筋トレ」的要素とは無縁の、重力と自分の体重を確かめるような、重力に乗ることを覚える1分程度のお稽古、という点が特にお勧めです。

一応、元・一ノ矢さんの本の内容を踏襲しているつもりではありますが、勝手なオジナルの要素も入り込んでいる可能性も大なわけで。
上記の本は、とても読みやすくてわかりやすい内容になっていますから、是非とも一度手にとって読んでほしいと思います。

ぼくが腰割りをする時は、1回1分前後。
続けていると股関節を動かすのが楽しくなって、気分転換や暇つぶしに一日に2、3回かそれ以上やったりします。

最初の頃は、股関節の硬さや動きの悪さ、また左右の股関節の違いがすごく明確になります。
そして、この「股関節の硬さや動きの悪さが意識できる」というのが、楽しいゲームのはじまりです。

力んだり無理することなく、股関節の動きを確かめるように数日または数回続けていると、股関節がゆるみだしているのが実感できるはずです。
足取りが軽くなったり、歩く感じが安定してきたり、振る舞いが滑らかになったり、気力が充実してきたり・・・。
股関節がゆるむだけで、心身への波及効果は広範囲に及びます。

開始して短期間でその心身両面への効果が実感できますから、さらに腰割りを続けるのが楽しみになります。

ブログに腰割りの他、テッポウや四股などのことも書いていますので、興味のある方は覗いてやってください。

町の按摩さんblog:カテゴリー:相撲基本稽古

腰割りの基本姿勢

腰割りの基本姿勢1:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com
  • お尻が突き出ないよう、上体は前傾させずに真っ直ぐ
    (頭のてっぺんが紐で吊られているイメージでもよいです)
  • 重心はカカトにドッシリと落とす
  • つま先の向きは膝と同じ方向を向き(腿~膝のラインとつま先の向きが同じ)、膝はつま先より前に出ない
  • スネは傾かずに真っ直ぐ立てる
  • 膝を曲げる深さは、無理せず楽に曲げられる深さ
  • 手は好きな所に(腕組み or 腰 or 鼠径部 or 腿)

「スネは傾かずに真っ直ぐ」ですが、ぼくの場合両足を開いて膝を曲げると、スネはやや内側に傾いたハの字状になり、股(股と両腿のアーチ)が狭く鋭角的になります。
ですので、意識的に膝を更に外側に開くように、股(股と両腿のアーチ)が弧を描くように滑らかになるようにします。

腰割りの基本姿勢2:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

腰割りの実際

ガシガシ頑張って行う筋肉トレーニングは主に表層筋を鍛えます。
また、小手先の動きや形をなぞるような動きも主に表層筋が使用されます。
「筋肉がキツーイ!」と感じる動きは、表層筋の動きだと思ってよいと思います。

相撲の基本的稽古は筋トレとは異なり、身体の核となるコアマッスル、深層筋を使った動きを学ぶための稽古なのだと思われ。
重力や体重を用いて身体丸ごとでぶつかり、重力や体重を利用して身体丸ごとの動きで相手の姿勢を崩す、そんな最も効率的な身体技法なのだと思います。

ですから、キツイ動きをする必要はまったくなく、というよりも極力避けた方がよいと思います。
特に太腿の前面である大腿四頭筋がキツクなる動きや姿勢は避けています。
極力、楽々こなせるような程度で行うのようにするのがベストです。

無理なく膝を曲げた(腰を割った)姿勢から、ゆっくりと膝を伸ばしていきます。
膝が伸びたら、また曲げて腰を割った姿勢に戻っていきます。

腰割りの実際1:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

これを無理のない回数、はじめの頃は3~5回程度行うとよいと思います。
動く時は、股関節が動く感じを十分に味わいながら行うと楽しいです。

参考までに骨盤に大腿骨(太ももの骨)がどのように関節しているのか、骨格図を入れておきます。

:股関節骨格図:腰割りの実際1:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

股関節は、太ももの骨である大腿骨の先、大腿骨頭の丸いボールが骨盤横にある寛骨臼という受け皿に収まるように構成されています。
股関節が動く感覚は、実際にはこの骨盤と大腿骨で構成される股関節周囲の筋肉群が動く感覚になります。
(このページ下に股関節周囲筋肉群の図を載せてあります)

さて、上下の腰割りに少し慣れてきたら、今度は腰を割った状態で左右に体重を移動し、片方の膝を伸ばすように腰を左右に移動させてみましょう。

腰割りの実際2:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

こうして腰を左右に移動させると、股関節の動きが変化して面白いです。
ぼくが毎日腰割りをする時は、上下と左右をその時の感じに応じて、好き勝手に混ぜて行っています。

目標というか目安というか・・・

人により個人差はあると思いますが、腰割りを毎日1、2回続けていると股関節を動かすのが楽しくなり、割と短期間で膝が90度曲がるくらいまで腰が落とせるようになると思います。

腰割りの目安:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com 

ここまで股関節が柔軟になって来ると、普段の生活の中で足取りや体の使い方が軽快になって来るのが実感できるはずです。
体を動かすのが前より断然楽しくなり、他の相撲の基本的体操もやってみたくなるはず。

そんな時は、ここにも順次追加していく予定ですが、相撲基本体操のページを参考にいくつか試みてください。
ほとんどの体操は腰割りの状態で行いますから、「相撲の基本は腰割りにあり」と言っても過言ではないかも。

暇つぶしや気分転換に時々1分程度の相撲体操をやっていると、それはつまり腰割りの練習にもなっているわけで、知らない内にどんどん股関節が柔らかくなっていき、それは全身の柔軟さに繋がっていきます。

腰割り参考動画と股関節周囲筋肉群

下は腰割りの3Dアニメーション動画。
骸骨の骨格が腰割りをしている部分では、股関節が動く感じが掴みやすいのではないかと思います。

・腰割り動画

※動画の骸骨骨格に関して
この骸骨アバターの股関節の大腿骨頭は、実際より前方についています。
本来は、もっと後ろにある骨盤の寛骨臼という受け皿にスッポリ収まっているはずなのですが、この骸骨にはその寛骨臼がないのです。(^^;

以下は前面と背面から見た股関節周囲の筋肉解剖図ですが、それぞれ表層から深層まで筋肉群を三段階に分けて外して見た図です。

・前面:股関節周囲筋肉群

股関節周囲筋肉解剖図1:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

股関節周囲筋肉解剖図2:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

股関節周囲筋肉解剖図3:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

・背面:股関節周囲筋肉群

股関節周囲筋肉解剖図4:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

股関節周囲筋肉解剖図5:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com

股関節周囲筋肉解剖図6:腰割りのススメ:相撲の基本稽古に学ぶ:Awakening the Body:町の按摩さん.com