Awakening the Body 治療・感覚・意識・その他4:治療:人生の転機と体を覆う澱み:町の按摩さん.com

Awakening the Body ~治療・感覚・意識・その他~4

  1. 武術書に見る「病を去ること」(1)こだわりと四季の移ろい
  2. 武術書に見る「病を去ること」(2)その秘訣
  3. 武術書に見る「病を去ること」(3)感覚を内側から感じると病は去る
  4. 治療:人生の転機と体を覆う澱み
  5. 治療:歓びの可能性を開く症状
  6. 「寝ぬ夜の夢」を読む1
  7. 「寝ぬ夜の夢」を読む2
  8. 「寝ぬ夜の夢」を読む3

 

 



治療:人生の転機と体を覆う澱み

昔、お母さんと一緒に来ていた女子高校生だった患者さんが、いつの間にか若奥様になって久しぶりに来てくれています。

今回来始めた時は、身も心もボロボロ状態。(^^;
もちろん体も閉塞的になっていて、身体表層は弾力に乏しく澱んでいました。
どうやら人生の一大転機に遭遇していた模様。

身体全体に渡る表層の澱みもさることながら、特に下肢部分の澱みは根深くて……。
この状態では、体全体が重くてダルイだけではなくて、日常生活も重い体を引きずるような感覚だと思われ。
当然ながら、思考や精神生活も陰鬱極まりない状態だったと思います。

そんな時に按摩に来てくれて。
そのボロボロの体に触れられることが、本当に有り難かったです。
悲鳴を上げることさえ諦めたようなその体に、なんとか精気を取り戻してもらえるから。
按摩さんは、いつだって体の味方なのです。

一枚一枚澱みの皮を剥ぐように、まるで仮死状態のような表層の感覚を呼び覚ますように按摩を続け。
徐々に澱みもピークの半分近くなった頃、人生の転機もピークを迎えたようでした。

そのピークも、笑いながら報告出来るほど心身ともに余裕が生まれ。
治療師という第三者から見れば、そのピークは新たなる出発、スタートとも思える出来事だったのですが。
本人曰く「マッサージに来ていなかったら、絶対刃傷沙汰になって新聞に載っていたはず」という出来事だったらしいです。

仕事が休みの週末には、土日と二日続けて治療に来ることもありましたが、今日は全体の澱みも1/3か1/4にまで減少。
ここまで来ると、感覚がかなり開いて来て、マッサージするこちらの手を、相手の体が受け容れている感じになります。
マッサージされている感覚を、食べるように吸収している感じ。
推す指の、その感覚が、体の中に浸透するのがリアルに感じられます。

もちろんこんな時は、「感覚が染み込んでくるように気持ちいい」という反応が返ってきます。

ふぅ~。
やっとここまで来ました。
ひと安心。(^^)

一年後の今

上の記事を書いてから一年経ちます。

来始めてから5、6ヶ月で体はほぼ通常モードまで弾力を取り戻し、かなり生き生きとしていきました。
はじめの2~3ヶ月はその時のストレスやショックはまだまだ生傷のようでしたが、その後は当の出来事に対する怒りや憤りなど、未消化の感情が時々強烈に頭をもたげて来たりするものの、その都度消化していったようです。
(感情がぶり返してきたという報告がある度に、「お、また来たの?o(^^)o」と大好物のお菓子を貰ったように大喜びでその感情を応援し、消化する方法をアドバイスして励ましていました)

現在ではそれらの感情もスッカリ消化したようで、遠い過去の出来事になったみたい。