2.真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」三遊亭圓朝 鈴木行三校訂編纂 |
3.「歌行燈」泉鏡花 |
4.「吾輩は猫である」夏目漱石 |
5.「「詩集(1)初期詩篇」小熊秀雄 |
6.「東京に暮らす 1928-1936」キャサリン・サンソム/著 大久保美春/訳 |
7.「東京人の堕落時代」杉山萠圓(夢野久作) |
8.信仰餘賦「小星」葛巻星淵 |
小熊秀雄。詩人、小説家。明治34年-昭和15年(1901-1940)。北海道小樽生。
月夜
月のない、あかるい月夜
あをじろい月夜
あひびきの女がどこかのくらやみにひそむ
あをじろい月夜
笛が鳴つて
笛が鳴つて
按摩の笛が鳴つて
きえてしまつた月夜
いるみねーしよんの松の樹に
首くゝりの首が
のびたり、ちぢんだりしてゐる夜である
なやましい月夜である
底本:「新版・小熊秀雄全集第1巻」創樹社
1990(平成2)年11月15日第1刷
入力:浜野智
校正:八巻美恵
ファイル作成:浜野智
1999年4月14日公開
1999年8月28日修正
青空文庫作成ファイル:
一編のみ抜粋