本の中の按摩さん:按摩さんのいる風景

本の中の按摩さん:按摩さんのいる風景タイトル:日本における按摩の歴史:町の按摩さん.com
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本の中の按摩さん5:按摩さんのいる風景

2.真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」三遊亭圓朝 鈴木行三校訂編纂
3.「歌行燈」泉鏡花
4.「吾輩は猫である」夏目漱石
5.「「詩集(1)初期詩篇」小熊秀雄
6.「東京に暮らす 1928-1936」キャサリン・サンソム/著 大久保美春/訳
7.「東京人の堕落時代」杉山萠圓(夢野久作)
8.信仰餘賦「小星」葛巻星淵

 

小熊秀雄。詩人、小説家。明治34年-昭和15年(1901-1940)。北海道小樽生。
漁師、農夫等を遍歴し、新聞記者歴もあり。
ここで抜粋した一編は、「按摩の笛」が情景をよく表している感じがし、好きな詩です。
ぼく自身は、リアルタイムで按摩の笛を聞いたことはないです。(映画やドラマのみ)
実際に按摩笛を聞いたことのある人は、一体どの時期ぐらいまでなのでしょうか。
昭和の時代でも笛の音は流れていたのでしょうか。

 

「詩集(1)初期詩篇」小熊秀雄

青空文庫内元テキスト



月夜


月のない、あかるい月夜
あをじろい月夜
あひびきの女がどこかのくらやみにひそむ
あをじろい月夜
笛が鳴つて
笛が鳴つて
按摩の笛が鳴つて
きえてしまつた月夜
いるみねーしよんの松の樹に
首くゝりの首が
のびたり、ちぢんだりしてゐる夜である
なやましい月夜である





底本:「新版・小熊秀雄全集第1巻」創樹社
   1990(平成2)年11月15日第1刷
入力:浜野智
校正:八巻美恵
ファイル作成:浜野智
1999年4月14日公開
1999年8月28日修正
青空文庫作成ファイル:
一編のみ抜粋