2.真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」三遊亭圓朝 鈴木行三校訂編纂 |
3.「歌行燈」泉鏡花 |
4.「吾輩は猫である」夏目漱石 |
5.「「詩集(1)初期詩篇」小熊秀雄 |
6.「東京に暮らす 1928-1936」キャサリン・サンソム/著 大久保美春/訳 |
7.「東京人の堕落時代」杉山萠圓(夢野久作) |
8.信仰餘賦「小星」葛巻星淵 |
「
肉の事を
幼き時に親失せて、たよる
身は
あはれ貧しき按摩也、
玉なす汗の夏の日も、
唯
唯
此の世の中を渡る也、
されば昔はしかすがに、
不幸の
薄命の身を嘆きては、
天をも世をも恨みしを、
「愛なる神」を信じ來て、
「
思へば嬉し、あゝ
今は世界の
一人にて負ふ心地せり、
惡魔に、あたら、
妾れには眼なし、然れども、
みめぐみ深き我が神は、
汚れに満つる肉の世に、
地上の物は見えずとも、
天の光を認むべき
吹く
神の
つく
神の
妾れに
妾れに迷はん恐なし、
肉の
地上の
靈の者のみ
天の者こそ
空しく消ゆる塵の世に、
過ぐるも
妾が得る
肉の
妾が信仰は薄けれど、
靈の糧には餘りあり。
思へば嬉し、あゝ嬉し、