操体法の基本的なやり方
Tweet
操体法の手順
1.動診
体のある部分を、左・右、上・下など対照的に動かしてみて、動きの快・不快を確認します。
例1)「右肩を上げる」←→「左肩を上げる」動診(比較)

例2)「肩を上げる」←→「下げる」動診(比較)

快 :気持ちいい、動きやすい、楽に動ける、動いてみたい
不快:気持ち悪い、動きにくい、痛い、つっぱる、重い、動きたくない
2.操法
快の方向に、ゆっくりと気持ちよく動いていく。
キッカケとなる動きが始まったら、あとは全身で自由に気持ちよく動いていく。
3.味わう
動いていって一番気持ちのよい位置、姿勢、安定するところで気持ちよさを充分味わう。
(目安とそして2〜3秒)
4.脱力
充分気持ちよさを味わったら、ストンと全身の力を抜く。
(または、ゆっくりとス〜っと力を抜いてもよい)
5.間を置く
力を抜いたら、力が抜けた後の余韻や気持ちよさも味わってみる。
6.確認
2〜5までの手順を本人が納得するまで(目安として1〜3回)行ったら、もう一度動診をしてみる。
最初の動診時の感覚や可動性が変化しているか、または変化していないか、の確認。
抵抗
操体法を施す時、操者は相手の動きに軽く抵抗を与えます。
抵抗は、相手の人が動いる感覚をより実感しやすく、充実したものにするためのものです。
ポイントをいくつかあげます。
感じ取ること
「抵抗」は主に手でかけますが、相手の動きに文字通り「抵抗」をかける訳ではありません。
相手の動きの方向、質を感じ取り、それに応じた「抵抗」を与えます。
この点で操者は、有機的な感覚フィードバック装置と言えるかも知れません。
一体感
操者が手を通して相手の動きを感じ取るように、相手の人も操者の動きを感じ取っています。
相手がスムーズに安心して連動出来るように、操者自身の体も無理なく安定して連動しているのが望ましいです。
その為には、「相手の動きを腰で受け止め、腰でついていく」といったイメージが有効かも知れません。
操者と相手の人が一体となって気持ちよく動く、それが理想的だと思います。
ポジション
相手の動きがどのように発展していってもよいように、操者は出来るだけ広い範囲をカバー出来るポジションを取っておくとよいでしょう。
また、操法の最中、立つ位置を変える必要がある時は、腰を安定させ、すり足のように移動するのがよいです。
動きの誘導
操者は相手の人に語りかけながら、動きが「より気持ち良く」「全身が連動する」ように言葉で誘導してあげます。
ひとつのキッカケとなる動きから、どのように連動していくかといったその操法における「いくつかの連動のパターンを知っておく」というのも役には立ちます。
しかし基本的には、相手の人にその時はじめて生じる連動を引き出すのが言葉での誘導です。
はじめは相手の人の動きをよく見て、「本人がまだ意識していない動き、動きはじめた部分をピックアップしていく」というのがやりやすいと思います。
例えば両膝を倒す操法で、両膝が傾きはじめ、顔が膝とは反対の方を向き始めました。
この時「そう、首が動いてもいいですよぉ」というように、相手の動き、連動を支持する語りかけは有効です。
また、語りかける言葉のスピード、質なども相手の動きに影響を与えます。
抵抗と同じように誘導も、共感、一体感が大切になります。
初心者の人へ
慣れないうちは、焦ってしまって言葉で動きを強制するような語り掛けになりがちです。
こんな時は、実際の体も頭から相手の人へ向かっていたりします。

もし自分が焦っていることに気づいたら、まずはため息をつくように、吐く息とともにお腹にストンと落ちるようにリラックスしましょう。
「ふぅ〜」というような感じで。
そこから、ゆっくりと焦らず、丁寧に言葉で動きを説明しましょう。

ぼくは今でもこれを心掛けています。
まずは自分がくつろいで、そのスペースから誘導。(^^)
ちなみに、上の図はイメージ図だと思ってください。
耳の遠い患者さんに説明する時は、上のはじめの図のように身を乗り出して話す時もありますから。(^^;