3.指もみ&ゆらし

■1.準備

受ける人
  手足を楽に伸ばして、仰向けに寝てもらいます。
操者が指もみをしやすいように、受ける人の足と足の間隔は、多少広めに開いた方がよいかも知れません。

操者のポジション
 

正座をして相手の足の間に入ります。
腕を自然に降ろしてそこに相手の足の指がある、といった位置が楽です。
この時、自分の膝が相手の足に触れないよう、相手の足の開きも調節して下さい。

床で行う時は正座が一番楽で安定すると思いますが、正座がキツイ場合はあぐらでもよいです。


持ち方(1)
 
 
 
     
(例:親指の持ち方)

人差し指を曲げて図1の赤い部分に、図2の「主にもむ場所」を当て、上から親指で押さえて図3のように相手の足の指を包むように持ちます。
 
 


持ち方(2)……触れる
触れる、という事はとても大切です。
最初の触れ方ひとつで、相手のからだが緊張し、閉じてしまうこともあります。

まず、相手のからだを尊重し、優しく触れましょう。

いきなり「ギュッ!」と足の指を掴むのではなく、上の図3のように、スッと相手の足の指を、自分の親指と人差し指で包み込むように触れてみて下さい。

最初は、軽く触れて包み込むように。
親指は軽く抑える程度、主に人差し指に触れる相手の指の皮膚の感触だけを充分に感じてみましょう。

皮膚は、自分と外界を隔てるものです。
そしてまた、自分と外界を繋ぐものでもあります。
もし、相手のからだを尊重して優しく触れるなら、皮膚は隔てるものではなく、操者と相手の人を繋ぎ一体となる入り口になってくれると思います。

慣れれば、皮膚の感触を意識しつつ、皮下組織や深層の筋肉、骨の感触にまでスッと自然に入っていけるようになりますが、まずはゆっくりとくつろいで、表層の皮膚の感触を味わってみて下さい。
皮膚に触れたまま、親指と人差し指をソ〜っと動かしみると、皮膚の感触をよく感じられるかも知れません。
そして、皮膚の感触を味わいつつ、ソ〜っと自分の指を動かしていると、自然にその下にある筋肉の感触まで感じられると思います。

まずは操者自身が、相手の指の皮膚や皮下組織の感触を、しっかりと充分に実感すること。
そうすると、相手の人も「しっかりと触れられている」ということが実感出来ます。
皮膚や皮下組織を実感しつつ、じわ〜っと圧を強めてその下にある筋肉の感触を味わい実感してみましょう。
これだけでも、受けている人はかなり気持ちいいです。(^^)

相手の足の指を充分実感しつつ、もむことにしましょう。


 

■2.もむ(ゆらす)

基本的に小指から始めます。
一本の指をもむ時間は、最初は1〜2分を目安にするといいかも知れません。
慣れたら、自分の「もう充分だ」という感覚でいいです。
ぼく自身は一本3〜4分程度だと思います。

写真は親指になっていますが、小指だと思って下さい。
このポジションで、小指をもみます。
相手のからだ全体も、リズミカルにゆれるようにもみます。


もみ方のコツ
最初は、もむことは考えずに「リズミカルにゆらす」つもりで行ってみましょう。
相手の指の付け根付近を持ち、前後にゆらします。
持つ指は動かさず、相手の足の指の皮膚の遊びの範囲でゆらします。
(皮膚はこすらないように。自分の皮膚と相手の皮膚は密着したまま)


ゆらす方向は、右上図のように指の軸に沿ってゆらします。

また、直線方向だけでは、ゆれに角(ぶつかる感じ)が出ますから、ゆれの頂点で方向を軽くズラします。
その結果、右下図のように手の動きや相手の足のゆれは軽く楕円を描くようになります。




操者自身の腕や手首、上半身も、ゆらすリズムとともに、しなやかにゆれるのが理想的です。
乗馬している人のように、腰は浮かさず上半身が上下にリズミカルに動くのもいいです。


■3.間をおく

一本の指、例えば小指をもみ終えたら、相手の指を掴んだまま、ゆらす動きを止めます。
止めた状態でしばらく間をおきましょう。

この間をおいた時、受けている人は余韻を味わっています。
自分もこの間充分くつろいで、余韻を味わいましょう。

しばらく余韻を味わったら、相手の指を持つ圧をじわ〜っと強めて、自分の方にこれもまたじわ〜っと引きます。
「この指から離れますよ」という挨拶だと思って下さい。

そして次の指に移り、これを親指まで繰り返します。

 

■4.指もみ&ゆらし動画

立位での指もみ&ゆらし
この動画は治療ベッドを使用した立位での「指もみ」の解説になっていますが、基本的なやり方、触れ方は座位と同じです。

 

座位での指もみ&ゆらし